世界の製造業は今、スマートファクトリーという言葉なしでは語ることができない。スマートファクトリーとは、工場内のあらゆる機械がインターネットを介してつながり、すべての生産工程におけるデータを収集・分析できる工場のこと。IoTやAIなどの技術により、人と機械・システムが共存する、効率的な生産環境の実現が期待されている。 そして、スマートファクトリーの実現を見据えて開発されたのが、DMG森精機の工作機械に搭載されている次世代インターフェイスCELOSだ。加工に必要なさまざまな情報を見える化し、工場の内外を問わず共有することができる。さらに、社内外のビッグデータにも対応可能。AIやディープラーニングの手法を用いて、世界中の工作機械の稼働データを集積する取り組みも進んでいる。将来的には、ビッグデータを活用し、一台一台の工作機械へフィードバックを行う環境が現実となるだろう。


IoTを活用し、製造現場に革新をもたらしてきたDMG森精機。クラウドサービスのDMG MORI Messengerは、個々の工作機械にとどまらず、お客様工場全体の多様な設備をつなぎ、稼働状況やアラーム情報を一元管理する。PCやスマートデバイスから、いつでもリアルタイムに状態を把握できる。機械が停止した際は、サービスセンターと操作画面を共有し原因を迅速に特定できるサポート機能を提供。1980年の創業以来培ってきた通信ソフトウェアの開発力を基盤に、ハードウェアに近いセンサ処理からネットワーク、クラウドまで一貫して対応できる技術が、こうした先進的なサービスを支えている。

PC、スマートフォン、タブレットなどで機械の稼働状況を確認可能。ダウンタイムを最小限に抑えることができる。
あらゆる製品の礎である工作機械だが、省人化や労働環境の改善などさまざまな理由から、自動化システムによる生産性の向上が期待されている。自動化における課題の1つが、加工中に発生する切りくずが原因となる機械停止や加工不良だ。AIチップリムーバルは、AIを用いて切りくずの堆積状況を分析し、自動で効率的な除去を実現した。堆積状況のAI分析には当社製品「Digital E3 Core エッジAIボード」をベースとした組込CPU基板が採用されている。AIソシューションの設計、学習データ収集と性能チューニング、エッジ環境への最適化までをトータルでサポートできるのも、設立以来長年手掛けてきたハードウェア・ソフトウェアの提案・開発・製造経験による技術力の表れだ。

「エッジAIボード」は振動や発熱、粉塵、電磁波ノイズなどが発生するような厳しい環境条件でも動作する高い信頼性を実現している。
